議員定数削減案の提案理由
議員定数削減案の提案理由について説明させていただきます。
壱岐市の議員定数はこれまで、合併直後の62人から解職請求の成立を経て26人、さらに議会特別委員会での慎重審議等を踏まえ2回削減され、8年前から現在の16人に至っております。
この間も、壱岐市の最大の課題である人口減少は、歯止めがかからず、国勢調査の結果、年平均約440人ずつ減少し続けています。このままの状況が続けば、人口2万人を下回る日が来るのも時間の問題と考えられ、大きく危機感を感じざるを得ません。
一方、近年の壱岐市の財政状況は、なお一層厳しい状況が続くと考えられ、楽観視できない状態です。政府のプライマリーバランス黒字化目標、堅持の方針に伴い、地方自治体への交付金削減が十分想定されます。加えて、市の財政力指数も0.22と低い状態が続いており、延びる要素が見当たりません。
こうした中、私たち議員は市民から頂いた税金で活動しておりますが、市民のニーズに沿った活動が十分できているか自問しなければならないと考えます。今般起こった市長リコール署名活動は、議会を含めた市政全般への、市民の不満や批判の表れと思われます。私たち議員に対しても「議会が機能していない」という、多くの市民の声があることは事実であり、大いに傾聴に値するものがあります。行政をチェックする機関に対する批判として、十分、説得力を持つものです。
議員定数を削減すると、地域の身近な声が、拾われにくくなるデメリットがあることも承知しております。しかし、昨年から 本格的に展開が始まった、まちづくり協議会の機能も次第に充実しはじめ、徐々に地域課題解決の一翼を担いつつあります。
多様化する住民ニーズや、山積する壱岐市全般に渡る課題を、深く探求し、対応していくには、壱岐市全体を見渡す活動を、小数精鋭の議員で緊張感を持って担うことにより、より効率的、効果的に力を発揮できるものと考えます。
議員定数の類似市との比較では、例えば五島市では、議員一人当たりの人口は1911人です。これを壱岐市に当てはめると議員数は13.1人に相当します。また、壱岐市の議員定数が16人となった8年前の、議員一人あたりの人口は1836人で、これを現在にあてはめると議員数は13.6人に相当します。つまり、現在の壱岐市の人口に対して、市議会議員の定数が16人のままで良いとは既に言い切れず、市民の声を聞けば削減することは自明のことであります。
議員定数を、14人から更に下げることは、より多くの市民の声を聞き、議員間で慎重審議を重ねる必要があると考えております。しかしながら、14人にまで削減することは適正範囲であると考えます。
今、思い切った改革をしなければ、これから4年間、議員定数は16人のままです。行政機関や市民にばかり仕組みやサービスのスリム化を求めてはなりません。議会のスリム化を図る改革も実行し、常に緊張感を持って市民の負託に応えることが肝要と考え、議員定数を16人から14人に減ずることを提案しました。